つれづれなるままに... 2004年10月

佐野洋子「わたしが妹だったとき/こども」

2004年10月02日 (SAT) 23:02:34

幼くして亡くなった兄との時間を綴ったもの。「わたしが妹だったとき」は童話と言うことになっている。「こども」はエッセイだそうだ。

北京という異国の地で兄は彼女にとって絶対だったのだろう、そんな兄を幼いときに亡くしたのは彼女の中でとても大きな事だったのだろう。うーん、人はこんなに小さいときの事を覚えているのか、オレなんてなーんも覚えてないぞ。それとも、これくらいの記憶力がないと文章なんて書けないのかなぁ。子どもってバカだよなぁって事が、ありありと書かれています。まぁ、良かったです。

値段

2004年10月09日 (SAT) 00:18:37

新潟市在住の15歳のなんとか君が早急に肺の移植を行わないとヤバイと言うことで、市内のあちこちで募金を募っている。アメリカでの手術になり1億円ほど必要なのだそうだ。

一億って凄い金額だよね。子を持つ親として、その子の親が何としても我が子を救いたくて始めた事は理解できるんだけど、一億かぁ。資産家なら出せる金額かもな。アメリカでないと手術が出来なくて、渡航費用とか肺の提供があるまでの滞在費とかも含めての一億なのだそうだから、アメリカ人だったらもう少し安かったんだな。彼は日本人だから、一億で一人の子どもの命が救える。

ユニセフなんかでは発展途上国の子どもを対象に、千円ほどの金額で予防接種ができたり、6円の薬で下痢による脱水症状を防いだりとか言ってるよね。一億あったら何人の子どもが生きながらえるのだろう。

人の命がお金で救える。当たり前の事のような、納得がいかないような。

高村薫「半眼訥訥」

2004年10月09日 (SAT) 21:41:20

「雑文集」だそうだ。1993年頃から1999年に書いたり発言したことの寄せ集め。

自分は作らなかった子どものこと、日本の住宅環境のこと、想像力のこと、阪神淡路大震災のことなど色々書いているんだけど、意外に普通のつまらない人だ。しごく常識的で古くさい考え方が多い。もっと尖った人かと思っていた。

小説を書き始めたのも遅く、それほど下地があったようにも思えない。固い文章を書く人だと思っていたが、実は単に練られてなくて事務的なだけだろうか? でも、中学生時代にゲーテの「ファウスト」を読んでシューマンを聞く体験と結びついてしまうあたり、ただならぬモノを感じさせるぞ。

「改稿について」という文章で「神の火」を文庫化するにあたり、1000枚の原稿に手を入れたら1400枚近くになったと書いてあった。前から「神の火」を読みたかったんだけど、ぜひ文庫で読まなくては。

天気

2004年10月09日 (SAT) 21:46:00

天気悪いっすねぇ。というか台風大変ですね。この土日でキャンプに行こうかと考えていたのに中止だ。先週末も雨で、近所の小学校は日曜日の運動会を延期、延期で木曜日に行ったそうだ。木曜日の運動会ってもりあがらなさそう。

天気が悪いと体力の有り余っている3兄弟の相手が大変です。天気さえ良ければ、外に放しておくだけでも良いのですが。

やっぱりキャンプだ

2004年10月11日 (MON) 21:35:52

10日の朝、さすが晴れの特異日だ。良い天気だ。やっぱりキャンプをしよう。もともと、この連休中に新潟県立こども自然王国で行われている「世界のおもちゃ展」を見に行くつもりで、このこども自然王国にはキャンプ場があるのでどうせなら泊まりたいと思っていたのだ。

車にキャンプ用品を積み込み、大型スーパーへ向かう。今回も食事は簡単にすますため、レトルトなどを買い込む。高速道路を使って1時間半ほどで、こども自然王国へ着く。

キャンプ場にチェックインしテントを建ててから、持参したおにぎりで昼食。無茶苦茶暑い。Tシャツ1枚で十分だ。外にいるのは暑いので、まずは屋内で行われている「世界のおもちゃ展」を見に行く。会場が狭いし子ども達で賑わっているので、妻に長男・次男を託し私は三男と少しすいている幼児向けのコーナーへ行く。長男・次男は一通り遊び、三男の昼寝の時間が近づいた頃妻と交代。妻は三男を寝かすため、ベビーカーでウロウロ。私は長男・次男と吊り橋を見に行く。吊り橋は但し書きに「スリルを増す作りになっています」と書いているとおり、私は結構怖い。サイドのガードロープが私の腰のあたりまでしかない。私は渡ることを諦め、子ども達だけ渡らせる。子ども達は平気でスタスタ往復してしまった。ウーム。

長男が楽しみにしていた「おもしろ自転車」のコースへ行く。1周200mのコースを色々なタイプの自転車で走れるのだ。30分300円。小学4年生以下は大人と一緒に乗ることになっているので3人で乗れるタイプを探すと大分限られてくる。主に私が漕いで長男がハンドルを操作して次男は乗っているだけのやり方で4周ほど走った。ベビーカーで寝ている三男を連れた妻が漕ぎたいと言うので、私は交代。そのうち、長男が一人で漕ぎたがったので、長男でも漕げるタイプを選び、私が付きそう形で1周する。たらたらと走っているが長男は凄く満足そう。そういう年齢になってきたんだな。

ジュースを飲みながら一旦テントに戻る。今夜のテントは我が家を含めて3張。少なくて良い感じ。これが、我が家だけだとちょっと寂しすぎるだろうなぁ。今夜はレトルトカレーなので、妻に炊飯を頼み男共は大型遊具のコーナーへ行く。長男・次男は勝手に遊び、私は主に三男の相手。長男・次男は様々な遊具で遊び大満足。三男もあっちに行ったりこっちに行ったり、楽しそう。17時、取りあえず閉園の時間。宿泊客以外は追い出される。うす暗くなってきたので私達もテントに引き上げる。まだ夕飯には早いしなぁと思っていると園内放送で、なにやら手作り紙飛行機のイベントがあるとか言うので、全員でそれに向かう。園のスタッフが子ども達相手に、新聞を輪っかにした飛行機の作り方を教えてくれて、それを飛ばして遊ぶのだ。妻が長男・次男の分を作ってやり遊ばせる。長男は自分でも作りたいと、スタッフの回りをうろちょろ。取りあえず小さいのを作ったようだ。それから、マッチ棒に紙の羽根を付けてクルクルと降りてくるモノを作る。長男は自分で作った。今度は私が次男の分を作る。三男は何処まで分かっているのか、歩き回ったり抱っこされたり。

テントに戻り、私はたき火の準備。薪を買おうか迷ったけど500円は高いし、ちょっとだけ燃やすつもりだったので、買わずに薪拾い。前日の雨でしめった木が多く、たいして集められなかった、火を付けようにも付きにくいし。マッチを何本も駄目にし、最後にはカレーの空き箱を燃やしてどうにかこうにか火が付いた。たき火を見ながらカレーと炒めたソーセージの夕食。子ども達はデザートにプリンを食べて嬉しそう。その後、宿泊棟の温泉に入り、満天の星を見て、長男・次男は21時頃就寝。なんだけど、隣のテントの姉弟の騒ぎ声が大きくて大きくて、結局22時近くまでうるさかったぞ。これはマナー違反ではないだろうか。そのせいか、三男は22時頃まで寝なかったぞ。子ども達が寝たら、例によって星を見ながらアルコールとカップラーメン。

朝6時、なぜか園内放送でメロディが流れる。私と次男はそれで目を覚ましてしまい、もう寝られないのでテントの外へでる。三男はなるべく寝かせないと機嫌が悪いぞ。その後、妻と長男も起きだした。妻を三男のそばに残し、私は長男・次男と近くの天然酵母を使ったおいしいパン屋さんへ朝食の買い出し。朝食はパンと子どもはコーンスープ、大人はコーヒー。三男が目を覚ましたところで、昨日のご飯の残りでおじやを作り食べさせる。やっぱり三男は機嫌が悪いので抱っこで寝かせる。その間に妻は昼食用の栗ご飯を炊く。その後、妻に長男・次男を遊具の所へ連れて行ってもらい、私は撤収準備。テントを畳んでいるところでパラッと雨が降った。仕方ない家に帰ったら、テントは干してから畳み直しだ。三男が目を覚まし、長男・次男がひと遊びしたところで、後片づけも完了。キャンプ場はチェックアウト、再度「世界のおもちゃ展」をのぞく。

朝食を買ったパン屋でおみやげのパンを買い、近くの道の駅で「栗ご飯」を食べて、キャンプ終了。ノンストップで家に帰る。

秋のキャンプは虫が少なくていいね。無駄に汗もかかないし。

今回行ったキャンプ場。1張2000円。山の一角の広場にスノコが20個並べてあり、どのスノコでも良いのでテントが設営できる。20個全部埋まったら、狭すぎる。トイレと水場と釜場が一つの建物にある。宿泊棟の温泉に別料金で入れる。直火でなければたき火Ok。空いている時期なら良いキャンプ場かも、遊び場は豊富だし。

へ?

2004年10月16日 (SAT) 20:41:56

今日の新潟日報によると、オレの勤め先はとある大企業の子会社になるんだって。それで、社名も変わるんだって。平社員のオレは、初耳だぞ。何で新聞からの情報の方が先なんだ。

親会社になるところは、フレックスじゃないんだよね。ひょっとしてフレックス廃止になるかなぁ。給料上がるかなぁ。親会社から無茶な注文つけられるのかなぁ。まいったなぁ。うーむ、世間的には良いことなんだろうか。

瀬名秀明「あしたのロボット」

2004年10月16日 (SAT) 22:41:19

「パラサイト・イブ」しか読んでいなかったので、読むのはこれが2作品目。「パラサイト・イブ」もぎこちないなりに面白かったのだが、これも大変面白かった。近未来のロボットをテーマにした連作集。人間と身近になったロボットの存在が、かなり現実味のある書き方がされていて引き込まれる。

「ハル」では、女優の全身像データから見た目がそっくりなヒューマノイド(ロボット)を作り、動作や仕草までその女優と同じにして、女優とヒューマノイドで芝居をさせてしまう。見た目や仕草でヒューマノイドに魂を感じてしまうという話。その中で、憧れの女性そっくりのヒューマノイドを作らせ、性のおもちゃにしてしまうと言う噂話がでてくる。小説の中ではヒューマノイドに手でしてもらうってことが書かれているけど、現実にはダッチワイフとかあるしなぁ。「ビデオもインターネットもエロで普及したと言うが、ヒューマノイドも...」とか書かれていると、なんだかリアル。

「アトムの子」は、手塚治虫の「アトム」を作り出そうとする男達の話。やっぱり、アトムは人型ロボットの憧れだろう。猫型ならドラえもんか? アトムがなぜ正義の味方なのか、正義とは何か、人間が正義を作れるのか、などなど問題山積み。でも、技術者たるもの大きな目標に向かって頑張るのだ。

オレが生きている間に、ロボットはどこまで普及するだろうか。

奥田英朗「東京物語」

2004年10月23日 (SAT) 22:44:33

名古屋の高校を卒業した主人公が東京の予備校を理由に上京、大学中退、小さな広告代理店でバブル景気を経験するなどの青春物語。なんだか回りに振り回されてばかりで慌ただしいのが邪魔だがまあまあかな。奥田自身の経験を元に書いているのだろうから、そういう意味では面白い。1980年代のブームなども散りばめられていて懐かしい。映画まで作った椎名桜子は今どうしているのだろう。

誕生日

2004年10月23日 (SAT) 22:45:07

今日は35歳の誕生日。しかし、妻の初仕事の日でもあり、子守やら手伝いやらでバタバタした日中。夜、ファミレスに行けば大きな地震。幸いにも新潟市の被害は殆どなく、我が家でも写真立てが倒れた程度。でも、中越地方は踏んだり蹴ったりで大変そう。

40歳まであと5年かぁ。

祝!開店

2004年10月23日 (SAT)

新潟市にkrtek(クルテク)という、おもちゃ屋さんが開店しました。どうぞご利用ください。

amazon.co.jpでもご利用できます。

新潟県中越地震

2004年10月24日 (SUN) 20:49:56

昨日も書いたけど、新潟市では大きな地震にビックリした程度で、物理的な被害がない。それで、知人の心配などを除けば、普通に暮らせる。でも、今朝宅急便を出しにいったら、いつ着くか分からないと言われた。なるほど、高速道路も新幹線も被害にあっている。そうかぁ、影響皆無ではないんだな。

秋も深まり新潟の夜は結構冷える。寒さは気持ちの沈みを一層呼ぶだろう。大変だよなぁ。でも、日本の米倉である農村地帯としては、刈り入れが終わっていて良かったね。もう少し早い時期に地震がきていたら、寒さは少ないだろうが、米なんて刈ってられないだろうからなぁ。

一刻も早い復旧を祈る。

村上龍「イン ザ・ミソスープ」

2004年10月30日 (SAT) 21:26:04

久しぶりの村上龍。読売文学賞受賞作とのことで、有名ですよね。

外国人を専門に夜の性風俗ガイドを行う若者が主人公。年末も押し迫った12月29日から3日間ガイドすることになったアメリカ人は、どこか怪しい。そのアメリカ人の言うことは嘘ばかりだし、風俗ガイドを雇った割には、女を欲しがっていない。主人公は、昼間恋人に会いそのアメリカ人の怪しいところを伝えようとするのだが、具体性がなく伝わらない。ただ、アウトローのカンがそのアメリカ人を危険だと知らせる。

話が進むにつれそのアメリカ人の正体が暴れていくのだが、なぜ村上龍が、なぜこんな話を書きたかったのかオレには良くわからなかった。その辺はあとがきでも少し説明されているのだが、うーむ、味噌汁のような混沌としたぬるま湯に浸かっている日本人への警告かな。ストーリーに不気味さを感じながらも、引き込まれて読んだ。良くできた話とも思えるが、これで日本人への警告になったかなぁ。


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