つれづれなるままに... 2005年2月

花村萬月「虹列車・雛列車」
2005年02月02日 (WED) 21:44:28

短編集。「鬱」以降の作品。「虹列車」と「雛列車」は連作で、あとの3作は沖縄を舞台にしたノンフィクション(?)。

「虹列車」は、主人公の大学生が講演会にきた萬月にそそのかされて、寝袋一つで青森を行き当たりばったりで旅する話。萬月は、エッセイでも一人旅を勧めている。それを具体的に作品にしたものなんだな。若いときの苦労は買ってでもしろと言うか、旅の恥はかきすてと言うか、確かに良い経験かもな。「雛列車」はその続編。

沖縄を舞台にした作品は、ユタのものと色街のもの。どちらもリアルだが、はてさて。まぁ、そういう世界もあるかもなってところで。

CGI更新
2005年02月04日 (FRI) 22:35:33

ちょっと思うところがあって、CGIのバージョンアップ(1.7a → 1.8)。それに伴って、過去ログのクリア。

沢木耕太郎「天涯 第二 花は揺れ 闇は輝き」
2005年02月06日 (SUN) 22:20:37

写真集第2弾。後記にこの本のサイズの事が書いてある。「大型の写真集というのは、いちど見るともうどこかにつみかさねられ...見たくなったらいつでも取り出せるような判型のものであってほしい」うんうん、そうなんだよね、わかるわかる。このサイズなら、本棚に並べておけるからね。でも、ちょっと気軽に手を伸ばすには厚すぎると思うけど。あと値段が...。

写真の合間に、彼の文章や引用が記されています。そのなかで、心に残ったものを一つ引用

私が見た風景に私はいない
だが、私がその風景を夢に見ると
私はその風景の中にいる
私は私をどこから見ていたのか?

144ページの文章です。

森博嗣「まどろみ消去」
2005年02月06日 (SUN) 22:21:16

ミステリー短編集。11作品。種明かしで、参った!!というものもあれば(やさしい恋人へ僕から)、わけが分からないものもあり(純白の女、心の法則)、いろいろ。全体的には、うーん、いま一歩かな。ミステリーじゃない方(キシマ先生の静か生活)が面白いかも。と言うか、好みに合うかも。

田口ランディ「神様はいますか?」
2005年02月07日 (MON) 23:02:51

「田口ランディの人生相談」と副題がついてるが、エッセイ集です。

「神様はいますか?」の問いに、「たぶん、いると思う」「神様は、何もしない。神様は、何も答えてくれない。」と書いている。うん、なかなか良い回答だと思う。その神はキリスト教で言われるところの神ではないかもしれないし、仏教で言われるところの神でもないかもしれない、でも何か神といわれるものは存在すると思う。そして、直接人間に対して、手をさしのべてくれるわけではないのだ。でも、偶然では済まされないようなことも、世の中にはあるのだ。大半の日本人にとって神様ってのは、ランディが答えているような存在ではないかな。

他にも、声に出したら恥ずかしいような、くさい質問に答えています。回答しながら自分の答えを纏めているような感じで、長ったらしいです。でも、まぁまぁ面白いです。おばちゃん、頑張っているね、ってな感じで。

白鳥
2005年02月11日 (FRI) 22:02:03

天気予報は雪だったのだが、なんだか天気がよい。気温は低いが快晴だ。長男のドライブしたいとのリクエストもあり、白鳥の餌付けができるところまでドライブに行く。白鳥に餌付けと言っても、瓢湖ではない。新潟市から北に1時間ちょっと。あともう少しと言うところで猛吹雪に遭い、数メートル先も見えなくなる。前後左右真っ白け。何分も走らないうちに吹雪は止んだけど、私自身久しぶりの経験だし、子ども達は不安がっていた。なんとか無事に沼に到着。

雪は降っていなかったが、寒いこと寒いこと。餌として食パン3枚100円なりを購入。長男・次男に一枚ずつ渡し、残り一枚は三男を側に立たせた私が使う。平日あけの午前中で、白鳥たちはお腹が空いていたのか、どんどん近づいてきて手に持っているパンを食べてしまう。寄ってくる鳥たちに圧倒されて、アッという間にパンをまき終わってしまう。長男・次男は楽しんだようだが、三男はどうだろう。あまりにも近寄ってくるので、最終的には抱っこをせがんでいたな。怖かったかな。

新潟下越地方名物「ポッポ焼き」を売っていたので、それを車の中から鳥を見ながら食べて、帰宅する。

頑張ってます、iCab
2005年02月12日 (SAT) 21:30:43

昨年暮れに正規ユーザ向けにリリースされた3.0 Beta 222は、メタメタのできだった。先月リリースされた3.0 Beta 227は、少しは改善されたが、落ちやすかった。昨日リリースされた3.0 Beta 235は、あまり不具合が感じられない。2.9.8に比べると速度が今ひとつだが、これは今後改善されるようだから待ってましょう。頑張ってます、iCab。

JAF
2005年02月12日 (SAT) 21:31:08

JAFから更新のお知らせが来た。最初に車を買ったときに入会して、15年目になるのかな。以前はレッカーでお世話になったり、Bライの為に必要だったりしたのだが、何年もお世話になっていないなぁ。自動車保険みたいに、利用しなかった場合は年会費が安くなるとかなれば良いのに。

鈴木いづみ「いづみ語録」
2005年02月12日 (SAT) 23:01:07

小説やエッセイ等から、さまざまなキーワードでピックアップしたものを纏めた語録と、いづみの一人娘あづさと荒木経惟や町田康による対談。うーん、一部分だけを拾い集めてもなぁ、彼女の刺々しさは伝わるけどなぁ。正直面白くない。あづさの言葉の方が面白い。

いづみが自殺したのが1986年。オレが高校生のときだ、テレビなんかにも出ていたらしいが、オレは見てたのかな。中学生が見るような健全な番組には出ていなかったかな。話すいづみが見てみたい。

ヴィレッジ・ヴァンガードで買ったんだけど、何冊も売ってなかったな。売れたっきりで仕入れてないのかな。ムムム。

田口ランディ「いつか森で会う日まで」
2005年02月13日 (SUN) 21:16:08

田口ランディの文章と山下大明の写真による、屋久島を舞台にしたコラボレーション。ランディは以前から屋久島にはまっているんだよね。ランディは頑張っているおばさんだと思う、で、頑張って頑張ってくたくたになって屋久島に来て、癒されて東京に戻るんだな。森と言うだけなら何も屋久島の必要はないと思うのだが、世間的にも屋久島とか沖縄ってブームだよね。やっぱ、温かい地方にはかなわないと北国の人間は思うなぁ。別世界なんだろうなぁ。

水について書いているところで、水の結晶の写真集と言うのが出てくる(86ページ)。見てみたい。どんな写真なんだろう。

バレンタイン
2005年02月14日 (MON) 22:15:42

長男はモテモテである。同じ幼稚園のお友達はもちろん、転園してしまったお友達、引っ越し前の幼なじみ、引っ越し後の近所のお友達、いったい幾つチョコを貰ったんだ。まったく、こんな脳天気で×××××(プライバシー保護により伏せ字)な長男がなぜもてるのだ。

お父さんなんて、買う暇なかったとかいって、お母さんからも貰えなかったのに。

村上龍「イビサ」
2005年02月19日 (SAT) 21:24:45

精神病院から出てきた主人公の女は、ふとした切っ掛けで知り合った金持ちの男に誘われてパリにやってきた。そこで超能力に目覚め、その男が自分のことを売ろうとしていることに気付く。男の元を離れ、超能力を使って貴族出身の女に気に入られると、豪勢で淫靡な旅を続けるうちにスペインにあるイビサ島に導かれていく...。

あとがきで「破壊的ストーリー」と作者が書いています。確かにねぇ、ストーリーはある種無茶苦茶なんだよな。でも、放り出させず読ませる所に、村上龍の力があるんだろうな。面白いとか、良かったとかの感想はないけど、読ませる人だなぁと思いました。

吉本隆明「悪人正機」
2005年02月19日 (SAT) 22:12:24

週刊プレイボーイに連載された、糸井重里を聞き手として吉本隆明が話した内容を纏めたもの。章ごとに糸井重里の感想がのる。

最初の章で「生きる」と言うことについて話していて、その中で「本当に困ったんだったら、泥棒して食ったっていいんだぜ」と言われたことがある、と書いてある。なんだか、当たり前のような、口に出して言ってはいけないような不思議な感じ。自分自身がこの年で、泥棒しなくては食べていけないような状況になるとは思えないが、こういう事が言える大人がいるのは良いなと思う。この文章を読めただけで、この本の価値があったな。

この本以外でも似たような感想をもったのだが、吉本隆明は親として言い線いっていると思っているようだ。娘のばななが、「自分の人生は地獄だ」と書いていたけど、どうなんだろう。ばななの地獄に吉本隆明は関係ないのかな。


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